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クローン病の現状
クローン病とその症状
5. 検査
クローン病の診断の一般的な検査は、血液検査、糞便検査、さらに消化管のX線造影検査や内視鏡検査です。特に、消化管の病変を確認するためには、X線造影検査(注腸造影、小腸造影)、大腸内視鏡検査といった検査が重要になります。
クローン病と診断された後にも定期的または必要時に血液検査や内視鏡検査が行われます。
●血液検査:血液検査が定期的に行われる理由は、緩解状態の確認や、再燃・合併症を早期に把握するためです。病気の活動性の評価、治療法の選択や治療効果の判定に用いられます。(表A-3-4 )
表A-3-4 血液検査の種類と正常値
| 検査名 | 正常値 | 意義 | 異常値の変動 |
|---|---|---|---|
| 赤沈 (赤血球沈降速度) |
男 2~10mm/h 女 3~15mm/h |
炎症の有無を知る最も一般的な検査です。クローン病のなかで、赤沈が臨床病勢と最も相関するのは大腸型です。 | 炎症があると亢進します。 |
| CRP (C反応性蛋白) |
~0.2mg/dL | 炎症性疾患や体内組織の壊死の存在により増加します。CRPの上昇はサイトカインの異常を反映していると解釈され、疾患の重症度や経過の指標となります。 | 活動期には上昇します。 |
| α2グロブリン | 6.3~10.6% | 血清蛋白分画の1つ。一般的な炎症検査の1つで、クローン病の初診時やしばらく来院していなかった患者さんの炎症把握に用いられます。 | 急性炎症・慢性炎症で増加します。 |
| 血小板数(PLT) | 16.3万~ 42.8万/μL |
クローン病の活動期には血小板数が増加し、病勢の評価に有用です。緩解しているときには正常値を示すことが多いです。 | 活動期には増加、緩解時は正常値を示すことが多いです。 |
| 血清蛋白 | 6.5~8.2g/dL (BML) |
栄養状態の指標にも用いられ、吸収不良の場合は低値となります。 | 吸収不良で低値 |
| アルブミン | 3.7~5.5g/dL (BCG法) |
栄養状態の判定に役立ちます。 | 吸収不良で低値 |
| 総コレステロール | 130~220mg/dL | 動脈硬化の指標ですが、栄養障害の指標としても役立ちます。 | 吸収不良で低値 |
●糞便検査:小腸・大腸の出血を検査します。目に見えない程度の微小な出血も調べることができます。ヒトのヘモグロビンを免疫学的に検査するので、食べ物などの影響はありません。その他に細菌培養検査により細菌性腸炎ではないことを確認します。
●X線造影検査(注腸造影、小腸造影):注腸X線造影検査は肛門からカテーテルを挿入して、バリウムと空気を注入することで大腸のX線写真を撮ります。粘膜の状態、潰瘍・狭窄・瘻孔の有無、病変の範囲などを調べます。小腸X線造影検査はバリウムを口から飲むか、十二指腸までチューブを挿入してバリウムを注入し、X線写真を撮ります。小腸の病変を調べます。
●内視鏡検査:症状や血液検査によって経過を観察しますが、適切な治療内容を決定するためには、内視鏡検査で病変の状態を的確に把握することが必要となります。現在小腸まで届く内視鏡やカプセル型内視鏡の開発が進められており、的確な病変部の診断に期待が持たれています。
